卒業生インタビュー
看護師としての第一歩を踏み出したばかりの1年目と、キャリアを積み重ね経験を深めた5年目。
看護の現場は常に変化し続け、学びと成長の連続です。
今回は、異なるステージに立つ二人の卒業生に、看護師としての現状と未来の看護師を目指す方に向けてのメッセージを伺いました。
患者さんが言葉にできなかった想いに寄り添い、それを行動に移せたこと、そしてこれこそが看護の本質なのだと実感できたことに大きな喜びを感じました。
2023年度 卒業生 労災病院勤務 1年目
Q1. 入職して半年が過ぎましたが、職場の雰囲気など実際に働いてみていかがですか?
4月より看護師として働き始め、配属先の先輩方には日々知識や技術について丁寧な指導をしていただいています。先輩方がいつも笑顔で接してくれるおかげで、職場の雰囲気はいつも穏やかで、私もリラックスして働くことができています。先輩方の患者さんへの接し方は、日々勉強になることばかり。患者さんとの関わりをはじめ、多職種のスタッフとの連携やコミュニケーションの大切さを実感しています。
専門学校時代に、教員や学生同士と丁寧なやり取りを心がけてきたことが、今の職場環境でも活かされていると感じます。多忙なときでも笑顔を絶やさず、患者さんやメンバーに優しく接する先輩方は、私の目標。先輩方のような看護師になれるよう、努力を続けていきたいと思います。
Q2. 大阪労災看護学校で過ごした時間の中で、特に印象に残っている授業や実習のエピソードを教えてください。
成人看護学実習で、急性期の患者さんと関わらせていただいたときのことが、強く印象に残っています。急性期の患者さんは、治療の影響で普段通りの生活を送ることが難しい場合があります。実習時に担当した患者さんは、術後に合併症を発症し、日常生活に支障をきたしていました。手術による身体的負担や様々な不安を抱え、体を拭く、洗面をするといった動作も困難な状態でした。
そこで私は、ただ体を清潔にするためのケアだけでなく、患者さんが本当に求めていることは何かを教員と話し合い、その方に提案してみました。すると「やりたいと思っていた」と仰っていただけたのです。
患者さんが言葉にできなかった想いに寄り添い、それを行動に移せたこと、そしてこれこそが看護の本質なのだと実感できたことに大きな喜びを感じました。自分一人では気付けなかった患者さんへの視点を持つことができ、教員や仲間とのディスカッションを通して視野を広げていくことの楽しさを学べた、貴重な経験となりました。
Q3. 看護学校選びのポイントやアドバイスをお願いします。
学校選びのポイントとして、学内演習の充実は重要だと考えます。十分な演習時間が確保されていると、実習で患者さんに技術を提供する際にも、自信を持って、安全で安楽な看護を提供することができます。
大阪労災看護専門学校は、演習時間がしっかりと確保されているだけでなく、模擬患者を用いた事例を通して技術発表を行う授業もあります。学生同士で試行錯誤しながら練習できる環境や、これまでに学んだ知識や技術を応用できる機会が多く、楽しみながら学ぶことができました。
病気を抱えている1人の「人」として、病気の理解はもちろん、患者さんご自身のことも理解し、その人らしさを大切にできる看護を提供していきたい。
2019年度 卒業生 労災病院勤務 5年目
Q1. 現在の職場(労災病院)での役割と、日々の業務内容について教えてください。
私は消化器内科・外科の混合病棟で働いています。この病棟では、例えば、検査入院で来られた患者さんがそのまま手術を受けたり、外科手術後も引き続き内科的な治療を行ったりと、一人の患者さんを検査から治療まで継続して看護できるのが特徴です。
患者さんは、検査や治療が終われば、退院や他の施設に転院して行かれます。入院中だけでなく、退院・転院後も安心して生活していただけるように、患者さん一人ひとりの状態や状況を理解し、他の看護師や医師と連携しながら、日々チームで看護に取り組んでいます。
Q2. 今までの仕事の中で、特に心に残っている患者さんとのやり取りや、感動したエピソードはありますか。
患者さんとのやり取りはどれも心に残っていますが、特に印象的なのは、以前担当させていただいた末期がんの患者さんのことです。その方は、病状が進んでいて、痛みや吐き気が強く、つらい日々を過ごしておられました。あるとき、症状についてお伺いする中で、ご自身のこれまで歩んでこられた人生や、ご家族への想いをお聞きする機会がありました。話し終えた後、「聞いてくれてありがとう。こんな病気になると悪い方向にばかり考えて気持ちが沈んでしまっていたけど、久しぶりに世間話ができて嬉しかった」と言ってくださいました。
忙しい業務の中で、目の前の症状にばかり気を取られがちでしたが、この出来事を通して、病気と闘っているのはさまざまな背景を持った一人の「人間」であることを実感しました。病気への理解はもちろん、患者さんご自身のことも理解し、その人らしさを大切にできる看護を提供していきたいという想いをことさら強くしました。
Q3. 大阪労災看護学校で過ごした時間の中で、特に印象に残っている授業や実習のエピソードを教えてください。
特に印象深いのは、3学年合同で行われた事例検討会です。実習で受け持った患者さんへの看護について、学年を超えてディスカッションする授業でした。この学校の特色の1つである協同学習を通して、それぞれの立場から意見を出し合い、多角的に考察することで、看護に対する理解を深められた貴重な時間でした。
Q4. 学校での経験が今の職場で活かされていると感じることはありますか。
医療現場では、看護師だけでなく、医師、薬剤師、栄養士、リハビリスタッフなど、多職種と連携する場面が数多くあります。学校の授業で培った、主体的に学ぶ力、自分の意見を発言する力、そして相手の意見を尊重する力は、円滑なコミュニケーションを生み、チーム医療においてもとても役立っていると感じます。
Q5. 看護学校選びのポイントやアドバイスをお願いします。
私が大阪労災看護専門学校を選ぶきっかけになったのは、オープンスクールへの参加でした。先生方の熱意あふれる説明、そしてグループワークを通して学び合う姿勢に強く惹かれました。特に、私自身は意見を発言することが苦手だったのですが、この学校ならその弱点を克服し、成長できると感じました。
皆さんも気になる学校があれば、ぜひオープンスクールに足を運んでみてください。学校の雰囲気や特色を肌で感じ、先生方や在校生の生の声を聞くことで、自分に合った学校を見つけられるはずです。
Q6. 看護師を目指す方や労災看護学校への進学を考えている方に、メッセージをお願いします。
看護師への道は、決して楽な道のりではありません。しかし、同じ目標を持つ仲間や親身になって支えてくれる先生方との出会いは、皆さんの大きな支えとなるはずです。私自身、多くの困難に直面し、看護師になってからも悩むことはありますが、学生時代に得た経験や仲間・恩師との絆が、今の私を支えています。
どうか、周りの人々を大切に、そして自分自身の可能性を信じ、夢に向かって歩みを進めてください。応援しています!
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